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蘭学事始 No.10

 

お久しぶりです。前回の投稿からだいぶ時間が経ってしまいました…

オンラインがるべるでも少しお話しさせていただきましたが、3月末に日本に帰国するよう命令があり、6月中旬まで一時帰国をしていました。

オランダでは1日あたりの新規感染者数が約1300人、死者も100人以上出るほどまで事態が悪化しましたが、私たちが帰る頃には新規感染者数が1日50人ほどになりました。日本に帰国していた時には、出かけるときは必ずマスクを着け、人の多い飲食店に行くのは考えられないような状況でしたが、オランダに帰国するとびっくり。相変わらずマスクをしている人はほとんどおらず、飲食店のテラス席で大勢で楽しそうに食事をしている人たちの姿ばかりで、日本とのギャップに大変驚きました。最後に見たロックダウン中の静かなオランダの姿から一変し、短い夏を全力で楽しむオランダの夏になっていました。

しかしまたこの数週間ほどで再び感染者が増加している状況です。オランダは九州ほどの国土しかなく、人口10万人あたりの感染者の割合は日本の約16倍だそうです。

 

今日はいわゆるアフターコロナの今、オランダで起きた変化をお伝えします。

 

1.ソーシャルディスタンスの徹底

私が昨年オランダに来たばかりの頃に驚いたのは人と人との距離です。他人と話すときも日本人よりかなり近づきます。電車やバスに乗車する際も、特に混んでいないのに後ろの人が自分の体にくっつくぐらいの距離にいるなんてことはざらにありました。デパートの回転扉でも、ふと後ろを見ると自分の頭のすぐ後ろに他人の顔があってびっくりなんてこともよくありました。

しかし、コロナウイルスの流行後の今、多くの人がソーシャルディスタンスを気にして過ごしています。(全く気にしていない人もいます。)

道を歩いていると、石畳の道に「ソーシャルディスタンス1.5mを守ってね。」「右側通行です。」というようなメッセージがたくさん書かれているのを目にします。スーパーなどでも、お互いに1.5mの距離を開けて歩くよう気を付けている人たちの姿がよく見られます。道でばったり知り合いに会っても、距離を開けて会話をしている姿を見ることもありました。

また、以前のブログで書いたように、あまり「並ぶ」という文化がない様に感じていたオランダですが、並ぶことが多くなったと感じます。

週に1度、食材や日用品などを売っているマーケットが近所で開かれているのですが、そこでも並ぶ人が立つところを示す印がテープで張られていたり、立ち位置がわかるよう〇が書かれていたり(ケンステップを思い出します)する光景が見られるようになりました。

日本では当たり前のように感じますが、オランダで並ぶところが明確に示されているというのは新鮮でした。並び方を示されても、並ぶということ自体にあまり慣れていない人も多いためか、並び方がよくわからず、知らぬ間に周りの人を抜かしてしまって、注意をされている…なんていう光景も何度か見かけました。きっちり並ぶのが良いのか悪いのかは別にしても、これをきっかけにオランダでも今後はきっちり並ぶことが当たり前になるのかなと思うと面白いですね。

 

2.公共交通機関でのマスク着用義務

以前のブログでも書きましたが、オランダ人はマスクをしません。マスクをするのは「パンツ一丁で歩くのと同じくらい恥ずかしい」という人もいるぐらいだそうです。そもそも、ヨーロッパではマスクなどで顔を隠して歩くことが違法だった国も多く、オランダでもマスクをして外出するのはよっぽどの病気にかかっている人か犯罪をしそうな人、などというような怖い印象をもっているようです。また、日本人は相手の感情を目から読み取るが、欧州の人は口元の動きで相手の感情を読み取る人が多く、マスクで口元が隠れてしまうと相手が何を考えているか分からなくなり不安に感じるため、マスクを嫌がるという内容の記事を読みま

さらにはオランダ政府も、「マスクは感染予防には役に立たず、1.5mの距離を保つことが何より重要だ。」と言っていたため、国民もマスクの必要性を感じていない人が多いようです。しかし、ヨーロッパの国々もお店の中ではマスクの着用が義務になったところが増えてきており、さすがにオランダでもマスクは必要だと唱える専門家も出てきたようです。オランダでは6月から公共交通機関に乗る際は1.5mの距離をとることが難しいため、マスクを着用するように義務付けられました。また、8月頭にはアムステルダムとロッテルダムの決まった地域(人が多い地域)を通るときのみ、マスクが義務付けられるようになりました。先日日系の美容室に行ったのですが、そこでは美容師さんもマスクをしていて、お客さんもマスクをつけるようにお店からお願いされます。日本ではお願いされなくても多くの人がマスクを着けていきますよね。しかし、オランダ人がやっている美容室では美容師もお客さんもマスクをしている店はいまだにあまり見かけません。私が担当してもらった日本人の美容師さんの話によると、「このお店では安全のためマスクをつけてください。」とオランダ人のお客さんにお願いしたら、「マスクをつけなきゃいけないぐらいなら、帰るわ。」と言って帰ってしまった人もいるそうです。日本では特に義務付けられているわけでもないのにみんながマスクがつけていて、むしろ付けていないと嫌がられる雰囲気もあるぐらいなのに(今もそうですか?)、国が違えばここまでマスクに対する考え方が違うことに驚きます。

 

他にもいろいろな変化がありますが、長くなってしまうので今回はこのあたりで終わりにします。日本は連日猛暑が続いていると聞いています。どうか皆様お身体にお気をつけてください。次回はコロナとは関係のないことを投稿できたらいいなと思っています😊