今日は、週刊東京経済(7月18日号)に「悪影響は卒業後も続く 全国一斉休校の深い爪痕」という記事が面白かったので一部を紹介します。この記事は、中室牧子教授(慶応大・教育経済学)によるものです。
・アルゼンチンの小学校で発生した教員ストライキに関する研究
10日間の休校が実施されると、高校を卒業できない人28人増加(1000人中)。大学などの高等教育を修了できない人15人。
日本に置き換えると高校を卒業できない人約9万人(320万人)、大学を卒業できない人約4万人(250万人)
ストライキによる休校の影響を受けた子どもたちの30~40歳の賃金は男子で3.2%、女子で1.9%低下したことが判明している。
・「夏休みの学力損失」米国で実施された算数のテストスコア
学期中6~16点のスコア上昇、夏休み中4~5点減少
より影響を受けやすいのは低学年の子どもだ。学齢の小さい子どもほど自律的に学習を行うことが難しいからだと考えられている。
・理数系科目への負担の影響が特に大きいと指摘する研究
単元ごとの学習内容が独立している教科と比較すると、過去からの積み上げが重要な算数や数学では、臨時休校中に特定の単元がカバーできなくなることがその後も長期的に影響する。
・休校により教育格差の拡大を指摘した研究(英国財政研究所)
4~15歳の子どもを持つ保護者(4000人)の調査
高所得世帯の子どもが通う学校 オンラインなどの積極的な学習支援があった。子どもの学習時間5.8時間。
低所得世帯の子どもが通う学校 十分に機会が与えられなかった。子どもの学習時間4.5時間。
いかがですか?算数は順調に進んでいますか?長くなりましたので明日に続きます。
コメントをお書きください