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No740  お疲れ様です

 昨日の朝日新聞朝刊の「オピニオン&フォーラム」は「『お疲れ様です』考」でした。皆さんは、「お疲れ様でした」は、よく使いますか?

 

 社会言語学者の倉持さんの話から歴史が見えてきます。

・いつごろから「お疲れ様」という言葉が広がったのでしょうか。時期ははっきりしませんが、芸能界、例えば歌舞伎役者から広まったようです。戦前から活躍した俳優がよく使っていた証言が残っています。芸能界からメディア関係者のあいさつになり、じわじわと一般社会に浸透したのではないかと考えられています。

 

・それまでに頻繁に使われていたねぎらい言葉は「ご苦労」でした。江戸時代、家臣が殿に対して「ご苦労にござりまする」と言う。殿から家臣に対しては「大儀であった」でした。

 

・明治時代になり、時代が進むに連れて「ご苦労様」をどんな相手にも使うようになります。

 隣の落語家の立川談修さんの話に「落語界では、『お疲れ様』と同じくらい『ご苦労様』というあいさつをよく使います。」とあります。

 

・1980年代ごろからマナー本などで、「『ご苦労様』は目上の人に使ってはいけない」という記述が増え、使いづらくなりました。取って代わったのが「お疲れ様」だったのです。

 

・2000年ごろから若者が様々な形で使うようになり、爆発的に利用が拡大します。

 

・「お疲れ様」が人気の理由は、仲間意識を表現することでしょう。さらに「みんながんばっておる」という社会通念、「周囲に配慮してこそまっとうである」という国民性、何か声をかけることが良いコミュニケーションだという思い・・・これらすべてが要因です

 

・これを使っている限りひんしゅくは買いにくい。まだまだ「お疲れ」時代は続くのではないでしょうか?

 

 大切なことは、あいさつなんだと思います。ねぎらう気持ちが尊いんだと思います。その人、その時、その場の状況に合わせて一番適切な優しい言葉がかけられるように語彙を増やしていきたいと思いました。