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No738 オンライン学習を考える  

今日の朝日新聞の「耕論」は、「オンライン 学べるもの」がテーマでした。

 1人目は、元中学校の教員で教育研究者の鈴木大裕さんの印象に残った言葉を抜粋してみます。

・オンライン学習そのものはツールに過ぎず、よくも悪くもないと思っています。問題は、議論の前提にある「学び」の概念があまりにも貧弱なことです。

 

・僕は最初、休校で多くの人が学校のありがたさに気付いたことは、教育の在り方を根本から見直すチャンスだと期待していました。子ども達が待ち望んだのは友達と会うことだったり、学校行事だったり、部活動だったり、授業以外のことが多かったのではないでしょうか。「学校は授業だけじゃない」。そんな当たり前のことを大切にする教育に変わるきっかけになるのではないかと。ところが議論は授業時間の確保ばかり。

 

・学校は「人を育てる」場所です。授業はその一部に過ぎない。オンライン学習だって、普段会えない人とつながるような、教育の可能性を広げる方法がたくさんあるはずです。そういう視点がないままに進む議論に、貧しさを感じるのです。

 

 2人目は、アメリカのスタンフォード・オンライン・ハイスクールの星校長の話です。

・オンライン教育は大勢にいい教材を提供できる一方、修了率の低さが最大の問題として指摘されてきました。学びは一人でするものではなく、よいコミュニティーに支えられて初めて可能となります。

 

・オンラインでは生徒や教師が分断されやすい。意識的に学校でのコミュニティー強化を図るのが成功の鍵です。

 

・自治体や政府の支援に頼り切らず、教師同士が発見を共有し助け合う、新たにつながりの機会を意識的に作っていくことが求められます。

 

・日本では標準的なものを一律に導入しようとしがちですが、それは一番まずい。時間がかかり、地域・学校・子どもによって違う事情に対応できません。

 

・子どもたちのやる気をどう引き出すか、多様なアプローチを認めるべきです。

 

 このお2人のお話が、良いヒントになれたらうれしいです。