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No722  等

 今日の朝日新聞朝刊の「オピニオン&フォーラム」は、「『等』の正体」でした。

「気になりませんか?日本語に『等』と言う言葉が頻繁に出てくることを。政治家の言葉、法律、ビジネス文書、新聞にもよく顔を出す『等』。その正体とはー。」

 教育界でも新しい学習指導要領には、たくさん「等」が出てきますよね。「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」など気になっていました。

 

 元経産省官僚の石川さんはこう言っています。

・官僚や政治家にとって「等」は非常に便利な言葉です。法律で定めた範囲を柔軟に広げたり、あいまいにしたりする働きがあるからです。

 

・法律や文書で、日本ほど「等」を多用している国はありません。

・米国やヨーロッパ、中国の政治・行政の法令では、「認める」「認めない」の一線をきっちり引くものです。これらの国々には、きわめて多種多様な民族がいます。言葉で明確にルールを定めなければ、行き違いやトラブルの元になるでしょう。

 

・法律やルールの境界線をあいまいにできるということは、ときの政治家や官僚による解釈で、法律を恣意的に読み変えられることにもつながります。

・「等」のおかげで、より多くの国民を助けることもあります。

 

 国立国語研究所の石黒教授はこう言っています。

・「等」は、特に書き言葉では、正確性や厳密性を期すために使われます。しかし、最近は事実未確認であることをぼかしたり、言質を与えなかったりするために使う用例が増えています。

 

・話し言葉では、その中心的な用法が「ぼかし」に変わります。このぼかし用法は表現を柔らかくする効果もあります。「カラオケはいかがですか?」と言うより「カラオケなどいかがですか?」と誘うほうが角が立たない。これは話し言葉ならではです。

・こうした用法は最近、ネットの影響で書き言葉にも広がり、増えていると思います。

 

・新聞記事にも「など」は多いのですが、「情報の安定性」という理由も大きいでしょう。

・これは近年、助詞の「と」より「や」が好まれる現象と似ています。

・指示対象が2つだけなら「AとB」、3つ以上なら「AやB」ですが、AとBの二つしかないのに「AやB」を選ぶ人が増えています。情報過多の時代の今、「本当にAとBの二つだけ?」と問われると自信がない。そんな時「AやB」、「AやBなど」と言いがちです。

 

・注意すべきは「等」の前の名詞です。「等」の前が代表的・典型的なものでないとイメージがわきません。

・あいまいさ回避のコツは「等」をつけないのではなく、「等」の前の名詞を慎重に選ぶことです。

 「等」のモヤモヤが少し晴れた調な気がします。いかがですか?

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コメント: 1
  • #1

    えむ (日曜日, 21 6月 2020 12:26)

    自分もこの記事、読みました。
    似ている言葉が教育現場にもあるのではないかと捉えています。
    「~と思います」というフレーズです。先生が発したり、お便りで使ったりされるのを多々見かけてきました。自分自身ではまず使いません。明確な意思表示ではないと捉えているからです。
    マスメディアでよく見られる「お詫びしたいと思います」っていうフレーズもしっくりいきません。思っているだけなのかなぁ、と考えてしまいます。だとすると、鉄道会社の車掌さんの「お詫びいたします」は流石だな、と。車掌さんは前を向いて謝っています。