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No718 3た論法  

 「3た論法」という言葉をご存知ですか?私は、6月11日(木)の読売新聞を読むまで知りませんでした。何て読むかも分からず、調べてみると「さんた・ろんぽう」と読みます。  

 

 例えば、ある薬を使ったら病状が改善した時、「薬を服用した→病気が治った→薬が効いた」と単純に評価してしまうことを、語尾の「た」をとって「3た論法」ということが分かりました。

確かに「雨ごいをした→雨が降った→雨ごいが効いた」の3た論法では説得力に欠けることが分かります。

 

 「科学的根根拠(エビデンス)」を得るには、A薬を投与する「介入群(治療群)」と投与しない「対照群」を作り、無作為に振り分けて比べる「ランダム化比較試験(RCT)」を行い、結果として有意差(統計学的に意味のある差)が出る必要があることが分かりました。

 試験管や動物実験の結果からだけでは人への効果があるとは言えません。やはり比較が大切ということになってきます。

 

 抗ウイルス薬「レムデシビル」は10か国1000人を対象にしたランダム化比較試験で偽薬を投与した対照群より回復期間が有意に短縮されたことが分かりました。

 しかし、中国では症状が回旋するまでの時間や死亡率に有意差は見られなかったそうです。

 ですから複数の研究論文を体系的にまとめたり、統合して解析したりすれば、科学的根拠の信頼がより高まるわけです。

 しかし、今は緊急事態なのですから、スピード感を持って判断してほしいものです。

 

 マスクに関しては、感染拡大を防ぐ明確な根拠はまだないのですが、自覚症状のない感染者がウイルスを拡散させているという研究を考慮したのだそうです。

 

 サプリメントの広告や民間療法の書籍を読む時に、対照群をきちんと置いた研究で効果が実証されているのかチェックすることを勧めています。

 

 さらに患者も医療の限界と不確実性を知ったうえで、現時点の最新情報と自分の価値観を医師と共有し、対話をしながら治療法を決めていく「シェアード・ディシジョン・メイキング(共有意思決定)」が求められていると書いてありました。

 自分が病気をした時の参考にしたいと思います。