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No710 新しい生活様式を考える  

今日の朝日新聞朝刊からです。「『新しい生活様式』動物学者はどう見る」の見出しが目に留まりました。認知行動学と動物福祉の専門家で東山動物園の上野吉一さんの話が印象に残りました。抜粋してみます。

 新しい生活様式では、「近づかない、向き合わない、話さない」が是とされていることに対し、「具体例が必要だったのでしょうが、『ここまで・・』と驚いたし、科学・医学と経済のせめぎ合いの中で、主役の人間一人ひとりの行動や心理という視点がないことに疑問を感じました」

 

「ホモ・サピエンスとしての私たちは、そんなに意識的に生きていません。無意識のうちに、近づきたい相手とは距離を縮め、離れたい相手は視野に入らないようにして、居心地を良くしている。リモートワークを経験し、満員電車の距離感がいかに心の負担だったか、気づいた人も多いのではないでしょうか」

 

「食事は横並び、おしゃべりは控えて料理に集中する」に対し、「サルたちは、授乳の他は親子での食べ物の積極的な分配はしません。チンパンジーやゴリラも消極的な分配です。言い換えると、料理を振る舞ったり、一緒に食べたりという行為は、それ自体が極めて人間的だということです。行動学的に分析すれば、集まった人たちが同じものを食べながら時間や場所を共有することで関係性が築かれる。花見はその典型でしょう」

 

 マスクに対しては、「口元は表現の道具です。チンパンジーは怒ったり、逆に恐怖を感じたりすると歯をむき出し、うれしいと口は半開きにゆるみます。離れていても顔からどんな状態かわかる。周囲に感情を伝えているわけです。人の表情筋はサルより発達しています。その半分がマスクで隠された状態で、目の動きからどれだけのことが読み取れるか」

 

 耳が不自由な人は、マスクがあると口の動きや表情が見えないので不安だそうです。

 目がが不自由な人は、ソーシャル・ディスタンスができないそうです。

 そんなことも子どもたちに想像力を働かせる大切さを伝えてあげてください。

 

 

おまけです。

 リーダーに求められる資質は、「チンパンジーは、体が大きくて力が強いだけでも信頼されません。リーダーの座を争ってオス同士のけんかが始まった時に、群れのメスたちがこぞって加勢したオスが最後に勝ち残ります。

 そこで支持されるのは、普段から弱い物の面倒見がいいサルなのです。」

 機会があったら、これも子どもたちに伝えてください。生きた道徳でしょ?