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No693  9月入学を考える3

 5月17日(日)の朝日新聞朝刊に「9月入学」を来秋から実施した場合、学校教育や保育などのひずみを生みかねないことが苅谷教授(オックスフォード大)の研究チームの推計で分かったという記事に興味を持ちました。

 

 新1年生17カ月案を採用すると、新入生は42万5000人増え、1.4倍になります。

 教員の給料など教育予算の歳出増加分は東京都で427億円、神奈川で182億円。

 

 初年度は3万人近くが不足し、追加で必要な教員数は東京都が2700人、神奈川1800人になります。また、これを正規で採用すると倍率は全国平均0.88倍になり、全入になるそうです。採用倍率が1倍を切る自治体が37と全体の8割近くになり、北海道はなんと0.38倍になるんだそうです。

 

 50%を正規採用で補うと全国平均1.33倍。それでも1倍を切るのは14自治体。

 30%にすると1.66倍。1倍を切るのが3自治体。この数字だと学校が崩壊しませんか?

 

 保育所待機児童は、26万5000人になり、大阪で25000人、神奈川20000人、東京14000人。

 

 学童保育の待機児童は、16万7000人になり、東京19000人、神奈川、大阪12000人。

 

 苅谷教授は、「学校教育だけでなく保育などのシステムを崩壊させ、子育て世代の働き方に大きな影響を与える。エビデンスに基づいた冷静な議論が必要だ」

「財政の負担以上に深刻なのは、『不足』の問題だ。学童を含めた保育担当者、教員の不足はお金では補えない。ポストコロナで家計がひっ迫する中、多くの共働き家庭にしわ寄せがいく。保育や教育の質の低下にも影響しかねない」と話しています。

 皆さんはどう思いますか?