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No625 小さな親切1

 昨日の朝日新聞朝刊の「窓」からです。東日本大震災での素敵なエピソードがあったので、要約して紹介します。

 

 一つは「その一粒に救われて」という見出しでした。森永ミルクキャラメルの黄色い包み紙を母子手帳にはさんで大切にしているシングルマザーの話です。

 

 包み紙と一緒に1枚のメモが母子手帳に挟んであります。

 3月13日PM  通り過ぎたのに戻ってきて、子供にキラメルをくれた ありがとう がんばります(慌ててメモしたため小さい「ヤ」が抜けている)

 

 岩手県釜石市に勤務されていて、妹に預けた3歳の息子を拾い、山あいの福祉施設に避難しました。

 13日の午後に大阪からの救急車が駆け付けました。車好きの息子に救急車を見せてあげようと玄関に立つと一人の消防士が息子に、「お母さんを助けて、がんばりや」頭にそっと触れ、キャラメルをあげて立ち去ったそうです。

 

 昨年暮れ、6年生になった息子は、学校でこんな作文を書いたそうです。

 つまらない気持ちでいたけれど、キャラメルをもらってすごくうれしかったことを覚えています。

 結局「ありがとう」を伝えることはできませんでした。

 

 お母さんもお礼を言いたいとずっと探していたのですが、この時初めて息子も救われたんだと知ったそうです。

 

 この作文が地元の新聞に載ったことがきっかけで記者が調べてくれて、消防士の所在が見つかりました。

 

 今年1月電話でお礼を伝えることができました。

 この消防士さん、4年前に勤務先に連絡があったそうですが、自分ではないと答えていたそうです。あのような現場で無力感を覚え、申し訳ないという思いが強く、自分が感謝されるようなことははばかられたそうです。

 

 この話を読んだ時、消防士さんが高倉健さんに見えました。

 たかがキャラメル、でもこの一粒がこんなに素敵な一粒になるとは?