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No584  折々のことば

 1月も今日で終わってしまうので、少し古くなりましたが、1月6日(月)の朝日新聞朝刊に「第5回 私の折々のことばコンテスト」の受賞作品を紹介します。中高生2万4998人の応募がありました。言葉だけでなく、エピソードも重要です。 

・最優秀賞 「次に必ず会えるかは分からない。気持ちよく別れよう。」(母)

 作者は、仙台の中学1年生。東日本大震災の時は、4歳。「お前なんか帰ってくるな」。そんな口げんかの捨てゼリフが最後の会話となり、悔やみきれないといった災害や事故の時の話をニュースで見聞きする度に母は涙した。一緒にいることが当たり前の友達や家族、その当たり前こそがとても幸せで大切なのだと時々この言葉で気づかされる。

 

・鷲田清一賞 「つらいって気持ちに、順位なんてないよ」(中学校の担任の先生)

 バスケの試合で全治3か月の骨折、同時に母のがんの入院の不安の中でした。「泣いていいよ。私を弱音のはけ口にすればいいから」と女の担任の先生は言い、それから3、4日間、毎日放課後の誰もいなくなった教室でただただうなずいて話を聞いてくれた。

 

・鷲田清一賞 「ことばぐすりをありがとう」(おばあちゃん) ことばは、人を傷つける「毒」ななるだけでなく、「薬」にもなると意識した。

 

・Z会賞 「歩くことは倒れること」(校長先生) 「倒れてみなければ、前には進めない。君たちもたくさん倒れてみて」と続けた。 

 

・Z会賞 「人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある。」(坂本龍馬) この言葉に後押しされ、学校を変え、新しい道へ。

 

・栄光ゼミナール賞 「応援しとるよ」(母) この言葉の下に「がんばれ」という文字の跡、消しゴムで消したらしい。母が真剣に言葉を選んだ様子が見え、何度も助けられた。

 

・栄光ゼミナール賞 「今は幸せの充電中。」(母) 失敗の量に比例して、幸せの充電値が上がるということらしい。

 

・朝日中高生新聞賞 「思い出なんかこれから作ればいい、これも一つの思い出」(豪雨震災のボランティアで真備に行った時の家主さん) 思い出が詰まった品々を「捨てて大丈夫ですか?」と尋ねたら、こう返された。

 

・朝日中高生新聞賞 「commuovere 」(コムンオーベレ イタリア語=E・F・サンダース「翻訳できない世界の言葉」から 「涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる」という意味。感動した「あの感じ」に名前がついて、うれしかった。

 

・朝日新聞社賞 「空気が見方をしてくれる。」(卓球クラブの先生) 亡くした親の髪や肉が燃やされ、空気に混ざり、私の背中を押してくれると気づく。

 

・朝日新聞社賞 「何せ、幸せは、健康で記憶力が悪いことぞな。」(祖母) 「嫌なこと、すぐに忘れるけんね。」

 

 皆さんは、どの作品が好きですか?お気に入りの作品は、さりげなく、教室に貼ってみてはいかがでしょう?言葉の力は大きいですよ。