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No486  源氏物語

 朝日新聞に瀬戸内寂聴さんの「寂聴 残された日々」という記事が毎月連載されているのですが、10月10日の「52 長生きの余徳」の中で、定家の直筆の源氏物語の「帖」が新しく発見されたことを、「こんなすごい幸運にも遭えるのだから、やっぱり長命は有り難いというべきなのか。」と書いてあったことを想い出しました。

 

 私のような凡人はこのようなことで興奮することはないのですが、昨日の朝日新聞に源氏物語の記事があったので抜粋してみました。

 冷泉家時雨亭文庫調査主任の藤本孝一さんの寄稿からです。

 

・全54冊の源氏物語のうち、「花散里」「柏木」「行幸」「早蕨」の4冊だけが伝わるとされてきた。今回、その5冊目が出現したのである

 

・源氏物語には、紫式部の原本がない。写本のみある。

 

・定家が手がけた初期の写本を写したとみられ、父俊成本の姿をよく伝えている思われるものが、室町時代の文明13年に書写された「大島本」である。

 

・今回見つかった定家本「若紫」が現存する写本としては最古のものとなるが、その内容は大島本よりも新しいとみられる。

 

・定家本と大島本では、和歌の部分についての書き方が違っていた。

 

・源氏物語も「物がたり」の朗読(音読)用に書かれたと思っている。

 

・「柏木」の巻末で、薫という娘が源氏の元に這い這いしてくる場面を定家本では、「這ゐざりなど」で終わっている。

 大島本はその部分は江戸時代に切られているが、河内本や別本から推定すると本来48文字前後があったとみられ、「もてあそんだ」とある。

 定家本は結論がなく、聞き手には不十分な思いが残るであろう。読書なら、その後を読者に推定させることで文学的作品となる。文学書とするために、定家が削除したのであろう。

 

 源氏物語ファンには写した人の意図を想像するだけでもワクワクするのでしょうね。