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No302  上野先生の祝辞2

 上野先生の東大入学式の祝辞はNo293(4月15日)に取り上げました。

 その後、先生のインタビューがAERAに掲載されたので、印象に残る言葉を抜粋してみました。

    先生にとっては、「いつでもどこでも言っている当たり前のことを言っただけ」「賛否ともその大きさは想定以上でした。」とおっしゃっています。

 

「依頼は昨年末でした。青天の霹靂でしたから、断ろうかと迷いました。イギリスかぶれの角帽ガウンのコスプレも嫌でしたし(笑)。」

 

「女子の4年制大学進学率が48%になり、どの大学も女子学生比率が上昇するなかで、東大だけが増えないのは異常な事態です。」

 

「東大執行部がリスクを背負って依頼してくださった。しかも、私が何を話すかは予測できないわけです。もし発言内容に介入したら、私はその経緯をメディアに明らかにするかもしれませんしね(笑)。原稿は事前に総長以下執行部の方が目を通しておられますが、数字の訂正以外、内容への介入は一切ありませんでした。私に期待と信頼を寄せてくださったことに、感謝しています。」

 

「江原由美子さんの研究に、性差別意識が共学校の男・女、別学校の男・女で誰が一番強いかというと別学男子だったというデータがあります。目の前に生身の女子がいない環境で、両親を見て育つ。父親の顔色をうかがう母親を見て育つのでしょう。」

  

「優等生って、ものすごく不安感の強い人たちなんです。承認欲求も強いから、ほめてもらいたい。私の言葉で不安の根っこを脅かされたから、過剰反応するんでしょう。本当は、反射的な脊髄反応を「待てよ」と押しとどめるのが知性ってもんだけど、それが無いんでしょ(笑)。」

 

「私は「勝者の不安、敗者の不満」と言っています。勝者って勝ち続けなければならないんです。成績で一番取って、親から「よかったね。頑張ったね」と褒められた直後、「次もね」と言われる。でも、次も一番を取れる保証はないんですよね。」

 

「がんばりだけでなく、「がんばれば報われる」と思える、そのメンタリティーそのものが環境の産物であることを忘れないでと伝えました。」

 

「正解が出てしまったことをやっても研究の意味はありませんから。そう考えれば、正解が一つしかないような問いを出して選抜試験をやるということ自体が矛盾ですよね。」