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No288 コの字型座席配置

  新学期が始まり、きっと先生方も今年はどんな座席にしようかと考えていることと思います。たかが座席、されど座席です。一歩間違えば崩壊を起こします。学級経営では、重要なポイントです。

 学習形態、つまり座席にはいろいろな配置の仕方があります。

 ①コの字型 ②V字型 ③講義型 ④ペア型 ⑤グループ型 ⑥ロの字型 ⑦中心型   ⑧ディベート型 ⑨サークル対話型 ⑩読み聞かせ型 ⑪スクリーン集合型 ⑫試験型など 

 

 皆さんはどれですか?私は、何十年も①のコの字型を中心に1週間ごとにローテーションをし、⑤グループ型、⑩読み聞かせ型(前方に集合)、⑫試験型(書写もコレ)、プロジェクター、スクリーンを使用することが増えた後半の10年は⑪スクリーン集合型も多く取り入れました。

 

   フィンランドの「動く学校」の取り組みを覚えていらっしゃいますか?体を動かすことで子どもの注意力が高まり、判断のスピードも速くなるなど脳にも良い影響を与えるという研究です。

 

 コの字型は、先日紹介した横浜市の小学校や国立の小学校、研究発表校で多く見られます。「主体的・対話的な深い学び」を目指すなら、講義型では難しいのです。

 コの字型への批判、抵抗もあります。黒板の字を斜めに読むのは視力によくないという声。しかし、顔も動かさずに斜めに見ることはありません。黒板に注目させたいなら、机の向きを変えたり、黒板の前に集めたりすればいい。視覚化する工夫はいくらでもあります。

 私語が多くなるという声。授業の主役は誰でしょう。自分に注目させる時間は何分必要でしょう。学習に必要な私語だってあるのです。

 配慮を要する子が落ち着かないという声。確かに気が散ることもありますが、前列にいれば死角になることもなく、すぐに個別支援ができて便利な面もあります。

 

   メリットは、学び合いがしやすいということです。班を単位にしておけば、すぐグループ学習に移れます。真ん中があいているので、すぐに前に集合できます。コの字に回れば個別支援や声かけやチェックがしやすいです。

 

    座席はなぜか学校で統一することなく、担任裁量が多いのは不思議です。せめて学年くらいは統一していないと保護者は、不安ですよ。

   目的によっては、1時間の中で、2~3の配置の変化が必要な授業だってあります。ずっと固定ではなく、いくつもの型を持ち、柔軟に自在に扱えることがポイントです。