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No231  先生のコトバ4

 今日の「先生のコトバ」4回目は、ボクシングの元世界チャンピオンの内藤大助さんです。

 登場するのは、やはり中学の担任の先生。言葉は「もう二度とやるな」

 

 内藤さんは、いじめられていたことを自伝にもして、テレビでもよく話されています。

 

 中2のクラス替えをきっかけに、「ボンビー(貧乏)」というあだ名をつけられ、お金をとられたり、暴力を振るわれたりしました。モノを隠され、靴を捨てられ、服も脱がされたそうです。それが原因で胃潰瘍にもなりました。

 

 中3の時の担任の先生が、ある時、クラス全員を残し、

「ある一人の人間が特定の人間をものすごくいじめている。心当たりのある奴は正直手を挙げろ」 

 私の経験でも、自分から名乗り出ることはありません。

 

 すると、ついに先生は、加害者の同級生を名指しして

「お前のことを言ってるんだ!もう二度とやるな!」

と怒鳴りました。それが、内藤少年にとっては、ものすごくうれしかったそうです。先生の一言が彼を救ったのです。

 

 先生は、今思えば指導方法の定石ではなかったことに気が付いていますが、しかし、こういう熱く、型破りな時も必要だと思いませんか。

 先生は、ある時は正義の味方にならなければなりません。水戸黄門、大岡越前、遠山の金さんのように成敗してくれる人にならなければなりません。

 

 気になるのは、加害者の子のその後です。この子だって教え子だからです。

「あの時の先生の一言で僕は目が覚めました」

と思っているでしょうか。

   内藤君を救ったのは見事でしたが、この子も 救えたかです。